
8月16日、夏の夜空を彩る五山の送り火。
祇園祭とともに京都の夏を代表する風物詩のひとつです。
五山の送り火とは、お盆に行われる京都の伝統行事で、京都を囲む5つの山にそれぞれ「大文字」「左大文字」「船形」「鳥居形」「妙法」の形に火が灯されます。
お盆に迎えたご先祖様の精霊を再びあの世へ送り出すという意味があり、その光景は何とも神秘的で、独特の風情がございます。
仏様をお迎えする8月は、お料理もなるべくきらびやかなものを避け、精進ということを意識して献立や器選びを行います。
祇園川上ではこの時期に、「鱸の麦飯蒸し」というものを
御飯替りにお出ししております。
麦と餅米を炊いたものを鱸で巻き、
上から温かいお出汁をかけて仕上げます。
日本では古くより、暑い気配の中で
熱いものを食べる事が良いとされて来ましたから、
お雑炊のような感覚で、湯気をふうふうと冷ましながら
お召し上がり頂ければと思っております。
まだまだ残暑が厳しい8月ですが、お盆を過ぎるあたりから、
ふとした瞬間に秋の気配が感じられるようになります。
料理で季節を表現する私共にとって、季節の移り変わりを感じ取る事はとても大切な事だと思います。
やがて来る秋を感じながら、献立や部屋のしつらいも少しずつ秋へと向かって行きます。
祇園川上 店主



※税込・サービス料別