
京都には、1年の折り返しにあたる6月30日に水無月を食べ、この半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する「夏越祓」という古い習わしがございます。
私どもの店でも、先付けに水無月豆腐というものをお出ししております。
これは、胡麻豆腐を三角形に形とり、上から小豆を散らして水無月に見立てた、この時期ならではの一品です。
そして、この時期に美味しくなりますのがやはり鮎。
調理場に香ばしい鮎の煙が漂いますと、初夏が訪れた事
を実感させられます。
香魚とも呼ばれる鮎は、口に入れた瞬間に独特の清々しさと
ほろ苦い香りが広がります。
祇園川上では、琵琶湖・安曇川で獲れた鮎を塩焼きにして
お出ししております。
頭から尻尾までお召し上がり頂けるように、
少し小ぶりなものをきつね色になるまで
しっかり焼き目をつけて仕上げます。
6月は本格的な夏の到来に向けて、献立や器選びが大きく変化を致します。
じめじめと、過ごし難い印象が強い6月ですが、それもまた季節の風物詩と申しましょうか。
そんな中にも涼を感じて頂ければ嬉しいものでございます。
祇園川上 店主
加藤 宏幸



※税込・サービス料別