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四月になると、祇園街は都をどり一色。 家々の軒先に繋団子の紅提灯が吊るされ、街全体が華やいだ雰囲気に包まれます。 華やぎと活気で溢れる祇園街。 四月は食材や器に色とりどりのものを使用し、一年のうちで一番華やいだ献立を考えます。
祇園川上にて欠かせない食材である鯛が、一年で一番美味しい時期を迎えるがこの時期です。 地上が桜の花で満開に咲き誇る頃、海中では産卵を目前に控えた鯛がその体を美しい桜色に染めるようになります。 そこからこの時期の鯛は「桜鯛」と呼ばれるようになりました。 冬の冷たい海を越えてぎゅっと引き締まった桜鯛の身には、 産卵に備えて蓄えられた脂の旨味がたっぷりと詰まっています。 庖丁にうっすら輝くように吸いつく脂がその旨さをもの語ります。 四月は造りや御椀、焼き物にとふんだんに鯛をお出しさせて 頂いております。
また山に囲まれた京都は竹の子の有名な名産地でもあります。 一年中手入れをされた京都・洛西一帯の畑地で育てられた竹の子は、 純白でやわらかく、えぐみがない格別の旨さが珍重されております。 その日の朝に掘り起こされた竹の子を、祇園川上に届き次第すぐに茹で調理を致します。 朝堀りの竹の子とわかめという出会いのものを炊き合わせた御椀は、遠方からはるばる京都へお越し頂いたお客様に、是非ともお召し上がり頂きたい一品でございます。
祇園川上 店主
※税込・サービス料別